MAROONのなんでも diary

MAROONの身の回りの諸々を雑多に書き連ねている日記です。(はてな日記からの移行です)

JR西日本、ローカル線維持苦しく 不採算の17路線 収支を初公表(朝日新聞デジタル)

  https://digital.asahi.com/articles/ASQ4C2W6CQ48PLFA00H.html

JR西日本は11日、利用が減って維持が難しくなっている芸備線(岡山、広島県)などローカル線の収支を初めて公表した。苦しい経営状況を伝え、バスへの転換なども含めた議論を沿線の自治体と進めたい考えだ。

そもそも、国鉄時代に赤字だったものを民営化して黒字になるかというと、そんな簡単な話ではなかった訳で・・・。
確かに幹線系の路線でも赤字だったのは民営化で改善されましたが、ローカル線は構造的に、人口(=利用者)減少という流れは変わらないので、収支が改善する見込みは少ないですね。
なので、地域で必要とする路線であれば、市町村や県、国などが維持する仕組みが必要です。必要度が低い路線は廃止、バス転換もやむを得ないでしょうね。
そもそも、その路線バスでさえ、存亡の危機にある路線がたくさんあるのが現状で、バス転換したからと言って解決する問題ではないのですけどね。
そもそも、鉄道やバスなどの交通機関が成立するためにはある程度のまとまった移動需要があることが大前提(鉄道はバス以上に必要な規模が大きくなります)なので、過疎化が進む地方では維持が厳しいのが現実です。
なお、利用者が少ないから減便というのはコスト削減にはなりますが、利便性が低下して一層の利用者離れにつながるので、悪循環に陥るだけだと思います。
別の記事では「収支だけで判断するな」という住民の声があったそうですが、JRも民間企業なので、営利を度外視しては存続できません。なので、本当に必要な路線なら、路線維持は自治体や国が面倒を見て、運行のみJRに頑張ってもらう、などの上下分離式などを考えていく必要があります。
【関連報道】

昔、国鉄時代には収支係数が発表されていましたが、当時でももっとも悪くて4000ぐらいだったと思います。(100円の収入を得るのに4000円の経費がかかる)
それと比べると、今回の発表の100円の収入を得るのに経費が2万5千円というのは、とてつもない数字ですね。
かつて北海道では収支係数が2000以上の路線が次々に廃止されたことを考えれば、2万5千なんてよく走らせてるな!という感じです。
なお、2万5千というのは芸備線の東城―備後落合間だそうですが、全線ではなく、路線の一部のみについて収支を論じるというのは、これまであまりなかったと思います。というか、東城ってどこ?(^_^;) 調べたら、備後落合と新見の間にある小さな駅ですが、なぜ接続駅でもある新見と備後落合の間ではなく、東城と備後落合なんでしょう? なお、この区間「だけ」廃止した場合、新見方面との連絡が断たれる(バス乗り換え?)ので、一層の利用者減に繋がると思います。なので、なぜ、ことさらここだけ取り上げるのか謎ですね。
【追記】早速(?)国交相が「利用者数を元に一律に議論するのは適当ではない」とかのイチャモンを付けたようですね。
確かに収支指数は1つの指標ですが、国鉄時代にも指摘されたのが、赤字額で言えば各地のローカル線など微々たるもので、東海道本線の赤字額の方がよほど莫大で経営への影響が大きい、という批判を受けたはずです。さすがに民営化されて、経営が改善してからは東海道線のような幹線系で赤字のところは減ったと思いますが、赤字額も議論すべきですね。
【追記2】ちなみに、今回収支が公表されたのは(赤字)ローカル線だけで、幹線系に関しては公表されていませんね。昔のように幹線系(JR西日本なら山陽本線とか)が赤字ならその額は?と思いますね。もし赤字でその額が国鉄時代にように巨額であれば、ローカル線の赤字額などは問題にならないという議論も出てくるので、幹線系に関しては公表しないのかなと思います。