
十三の第七藝術劇場にて。
2018年オーストリア映画。
原題:The Green Lie
監督:ヴェルナー・ブーテ
「環境に優しい」と言われる商品の実態に迫るドキュメンタリー。
ヴェルナー・ブーテは、ジャーナリストのカトリン・ハートマンと共に、「サステナビリティ」という言葉の下、世界中で食品に利用されるパーム油の真実を探る旅に出る。
まあ、「~に優しい」なんて言葉は眉に唾つけて聞いた方がいいというのは常識なので・・・。(^_^;)
さて、本作では『2015年のインドネシアの熱帯雨林火災の直接的な結果として10万人以上が死亡するなどの被害をもたらしたが、この火災が、パーム油のプランテーションのための広大な土地を確保することを目的に、意図的に引き起こされたことは公然の秘密』と主張していますが、具体的にそれを論証するでもなく、単に「パーム油生産のために熱帯雨林が焼かれている」というだけです。で、それを深掘りするでもなく、次から次へと他の事例に飛び回りますが、どれも表層的で一方的な主張なので、聞いていて疲れるだけでした。
ブラジルの牧場を巡る原住民と牧場主との争いでも、争点を整理することなく、原住民側の主張を伝えるだけでしたし・・・。原住民の従来から居住していた土地の所有権が明確に規定されていなかったので、牧場開設のために切り開いて追い立てられたということのようです。なので、土地所有権の問題にまで踏み込まないと話が進まないのに、原住民の主張だけ取り上げても解決しないでしょうね。「土地の所有権」という概念の無い原住民たちが暮らしてきた土地をどうすればよいのか? 現行法上では国有地であって、それを牧場主に払い下げただけなのか? などなど細かな点が何一つ説明されないので、判断のしようがないんですよね。「追い立てられた原住民」という心情的な面に訴えかけるだけでは何も解決しないと思う。そもそもこれはこの作品の「環境に優しい商品の嘘」とは関係のない話ですよね。
また、テスラの電気自動車も排気ガスを出さないけど、バッテリーにリチウムを使っているからダメだなどと言い出しました。でも、そんなことを言うのなら、パソコンやスマホなどリチウムイオンバッテリ―を使っているあらゆる機器を批判しないとダメでしょう。テスラだけやり玉に挙げるのは間違っています。
BPの原油リグの事故による原油流出とその原油隠しは非難されてしかるべきかもしれませんが、同意できたのはこれぐらいかな。しかし、これって、最初に言ってたサステナブルとは別次元の事故処理の話ですしねぇ。
結局はサステナブルと企業の宣伝はあやしいものがあるが、証拠だてて論理的にアウトと主張できたものは無かったですね。
【余談】七藝さんでは入場時に手指のアルコール消毒、体温検査を行ってからの入場で、座席も一つずつ空けるために指定席制になっていました。しかし、七藝のように平坦な客席では前に背の高い人が来たらスクリーンが全然見えなくなるので、指定席制ではなく、使用不可のシートにその旨を表示するだけでもいいと思いますけどね。最近のシネコンのように階段状の座席の場合は前の人が邪魔になることはないので、指定席で問題ないんですが・・・。
【余談2】七藝さんではマスクの着用は義務付けていないのかな? σ(^_^)の(一つおいて)隣に来た年輩の夫婦客は二人ともマスクしてませんね。
また、おっちゃんの方は上映前ですが、携帯を大音量で鳴らして、そのまま通話していましたが、その後電源を切った様子も無いしなぁ・・・。ちなみにおばちゃんの方は熱心に携帯をいじっていましたが、電源を切らずにバッグに仕舞っていました。大丈夫か?>この二人(-_-)