MAROONのなんでも diary

MAROONの身の回りの諸々を雑多に書き連ねている日記です。(はてな日記からの移行です)

『レディ・ジョーカー』

近所のシネコンにて。
平山秀幸監督作品。主演:渡哲也、長塚京三、吉川晃司、徳重聡、他。
高村薫氏の同名小説が原作。グリコ・森永事件に想を得て書かれた誘拐サスペンスで。
日の出ビールの城山社長が何物かに誘拐されたものの、「人質は320万トンのビールだ」として身代金20億円を要求された上で解放される。鋭意捜査に当たる警察だが、犯人に手掛かりは得られない。一方、日の出ビールの社内では遥か昔の事件をネタにした利益供与の処置が問題になっていた。事件の裏にある何かを感じながらもそれが何か掴めずに苛立つ警察側。はたして犯人たちはの目的は・・・。

えーと、毎度のことですが原作は読んでいません(^_^;)。「見てから読むか、読んでから見るか」っていうコピーが昔ありましたが、原作を読んでいるとその時点で登場人物に対するイメージが形成されてしまうので、映画を見た時にそのイメージ(必ずしも原作者が意図したものとは限らない)と映像のずれを感じてしまい、映画に対する評価が下がってしまうという問題があります。特にシリーズ物の場合には顕著です。なので、元々好きな作家で映画とは関係なしに既に読んでいるという場合以外は原作本は読まないようにしています。
この映画の主題は一体なんなんだろうと考えてしまいます。一見、誘拐ミステリのようですが、それにしては誘拐の具体的手口もあるいは身代金の受け渡し方法さえも明確には描かれていません。これが無いと誘拐ミステリは成立しません。もちろん、捜査陣を混乱させる偽の取引などは出てきますが、身代金引き渡しのご本尊が不明では、?状態です。やはりこの映画の本題は大企業による水面下での利益供与問題と警察組織の問題(?)のようですね。
また、犯人グループに関しても結成の流れ(単なる競馬仲間?)や指揮系統などの描写が不足しています。さらに決定的なのは取得した20億円(この方法も不明のままですが)の行方についても暗示はされていますが、闇の中ですね。
結局、企業側も、警察も、犯人グループも誰も得をしていないというような状況で、すっきりしない終わり方ですね。
ところで『レディ・ジョーカー』ですが、久しぶりに「貸切り上映」となりました。そうです、私以外にお客さんはいませんでした(^_^;)。前の回も数人だったようですが、公開初日の夕方(19:00)の回で貸切りとは・・・・。ちなみに同じく今日公開で、上映開始も同じ19:00だった『僕かの』こと『僕の彼女を紹介します』はかなり行列ができていましたし、映画が終わって出てくると次の回(21:25)を待っている人が結構ロビーにいましたが、『レディ・ジョーカー』の21:20の回を待っていたのは1人でした(-_-)。