MAROONのなんでも diary

MAROONの身の回りの諸々を雑多に書き連ねている日記です。(はてな日記からの移行です)

『流転の王妃』 10:00


九条のシネ・ヌーヴォにて。

1960年大映作品。
監督:田中絹代
原作:愛親覚羅浩
出演:京マチ子(呼倫覚羅竜子=愛新覚羅浩)、船越英二(溥哲=溥傑)、他。
嵯峨侯爵家出身でありながら、国策により満州国皇帝・溥儀の実弟・溥傑と政略結婚をさせられた嵯峨浩(愛親覚羅浩)の自伝を元に製作された作品です。
ご存じの通り、まさに波瀾万丈の生涯を送ることになった嵯峨浩ですが、本作では登場人物は仮名になっています。とはいえ、すぐに本名が想像できそうですが。
史実と違い、娘が一人しかいないことになっているので、彼女が自殺したことで、清朝の血統は絶えたと言ってましたが、実際には次女が存命でした。なので、あの心情の描写は映画独自のものになりますね。
なお、主人公は史実では後に中国に渡り、夫と再会し、中国でその生涯を終えていますが、その後半生は描かれていませんでした。
全体に出来事をなぞっているだけの構成で、主人公たちの心情などはほとんど描写がなく、帰国後の夫との手紙のやり取りの中でしか表現されていなかったですね。