MAROONのなんでも diary

MAROONの身の回りの諸々を雑多に書き連ねている日記です。(はてな日記からの移行です)

『せかいのおきく』 9:50


シネ・リーブル梅田 シネマ4にて。

2023年 FANTASIA 製作作品。
監督・脚本:阪本順治
出演:黒木華(松村きく)、寛一郎(中次=紙屑拾い)、池松壮亮(矢亮=下肥買い/中次の兄)、眞木蔵人(孝順=僧)、佐藤浩市(松村源兵衛=おきくの父)、石橋蓮司(孫七=長屋の住人)、他。
武家育ちで、今は貧乏長屋で父と暮らし、寺子屋で読み書きを教えていた。
ある雨の日、おきくは雨宿りをしていて紙屑拾いの中次と下肥買いの矢亮と出会い、親しくなる。
だが、ある日、事件が起こる。

半ばの「事件」以外は淡々と人々の暮らしが描かれていて、結末というものはありません。
おきくと二人の男が前向きに暮らし始めた、というところなんですが、この先どうなるのだろう?
突然炎のごとく』的な展開になるのだろうか?などとくだらないことを考えてしまいました。(^_^)
タイトルにもなり、作中でも出てきた「世界」という言葉は、当時は一般化していなかったのですが、源兵衛(佐藤浩市)はどこかで聞き込んでいたんでしょうかね。
【追記】『語源由来辞典』によると、

世界は仏教語で、サンスクリット語「lokadhātu」の訳。「地球」や「万国」の意味での使用は、マテオ・リッチの『坤輿万国全図(世界地図)』をもとに『世界図屏風』が多く製作された江戸時代に広まった。

とのことです。『世界図屏風』の正確な製作時期は不明ですが、江戸時代初期とされているそうです。なので、江戸時代に武士階級を中心に広まったのではないかと思います。
【余談】ラストで、矢亮(池松壮亮)が「青春」という言葉を使っていましたが、これは普及していたのかな?ちょっと疑問。
【余談の追記】調べたら青春という言葉そのものは中国の陰陽五行思想に基づくものですが、季節を表す言葉で、日本で若い世代を意味する言葉として定着したのは夏目漱石の「三四郎」による、と Wikipedia には書いてありました。本当か?(^_^)
【余談2】解説サイトには監督について、『「北のカナリアたち」「冬薔薇(ふゆそうび)」などの阪本順治監督』と紹介されていましたが、個人的には初期の「どついたるねん」「鉄拳」「トカレフ」の印象が強いんですよね。確かに「北のカナリア」はいい作品ですが、「冬薔薇」はどうなのな?最近なら「一度も撃ってません」の方がよかったと思う。(^_^;)