MAROONのなんでも diary

MAROONの身の回りの諸々を雑多に書き連ねている日記です。(はてな日記からの移行です)

『ハサミ男』 20:30

十三の第七芸術劇場にて。
池田敏春監督作品。出演は豊川悦司麻生久美子阿部寛、他。
映画化不可能といわれた原作を大胆に再構成した作品。

相次いで惨殺された2人の女子高生。喉元にハサミが十字架のように突き立てられた遺体の様子から、マスコミは犯人を“ハサミ男”と名付ける。やがて警察の捜査の遅れに非難が集まる中、第三の事件が起こってしまう。

原作では「ハサミ男」の正体は注意深く伏せられているそうです(未読です(^_^;)が、本作ではいきなり冒頭に最初の2件の犯行の場面が「犯人」と共に映し出されます(ハサミを突き立てるシーンは省かれていますが)。で、「犯人」が第三の被害者として目をつけた少女の周辺を調査している時に、他の誰かの手によって彼女が殺害され、その殺害現場に行き合わせてしまう。しかもその場で他の人物と顔をあわせたことで逃げるに逃げられなくなった「犯人」は発見者として警察の捜査対象になるのだが。
以下ネタバレ注意!!
見ている方はこの叙述トリックにいつ気づくかがポイントですね。演出する側は見事なミスディレクションで観客を惑わせています。聞き込みに当たる刑事が写真を示すシーンなどは「うまい!」と(後で(^_^;)思いました。3番目の被害者の友人に話しを聞くシーンでトリックが分かりましたが、もう少しで騙されたままになるところでした(^_^)。
それよりも疑問なのは、死人に口なしということで、「ハサミ男」が日高(斎藤歩)ということで決着したのでしょうか? まぁ、警察はそれよりもプロファイラーの警視正(阿部寛)がニセ「ハサミ男」で交際していた少女を殺害した上に「ハサミ男」まで殺害し、発見者の女性(麻生久美子)にまで発砲し、重傷を負わせた事件の後始末の方が大変だったのでしょうね。