- 作者: 今野勉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/10/01
- メディア: 新書
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インタビューの場面でインタビューを受ける人の映像が流れる中に時折うなずいたりするインタビュアーのカットが挿入されたりしますが、これは後から別撮りした映像を挿入したもので、インタビュー時の映像ではないという。理由は経費の関係でカメラを2台も持っていくことは無く、1台のカメラで撮影している以上、インタビュアーの表情などをリアルタイムに撮影することは出来ないからだとか。
これを読んで思い出したのが、米国映画『ブロードキャスト・ニュース』(1987年)ですね。この中で主役のTVレポーター・トム(ウィリアム・ハート)はインタビューのシーンに聞き手である自分が涙を流すシーンを挿入して視聴者から大きな反響を受けます。しかし、先輩のキャスターにこれが演出だと見抜かれる、というものです。
映画『ブロードキャスト・ニュース』
映画の中ではこの行為に幻滅した女性プロデューサー・ジェーン(ホリー・ハンター)がトムとの別れを決意するという展開になっており、このような「ヤラセ」は忌むべきものという捉え方がされていました。一方、今野氏の著作では限定された撮影条件の中で嘘ではない限りでの演出や(それと分からない)再現映像は認められるべきであるという立場のようです。う〜ん、難しい問題ですね。